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新海誠と「君の名は。」が描いてきたもの、果たしてきた偉業。そして、この夏公開の「天気の子」とは?!

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この夏、公開の新海監督最新作「天気の子」のキービジュアル

ごめん、同級会には行けません。

いま、シンガポールにいます。

 

 

この言葉からはじまるCMTwitterなどで大きな話題となった。

確かに声だけ聞くと勝手な自分語りだが、実際のところ映像と合わせて見ると、ちゃんとストーリーが成り立っている。

 

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建設会社 大成建設 のイメージ戦略のひとつと捉えられる同CMには、

社会を支える「建設」を通じて、思い描かれる、創りあげることのできる未来が表現されている。

 

このCMについてはこの方のnoteがわかりやすいと感じたため、ぜひ一読を。

note.mu

 

 

このCMはアニメーションで展開されるが、この美麗なアニメーションを制作したのは、コミック・ウェーブ・フィルム。

映画「君の名は。」を制作したアニメーション制作会社である。

 

そして監督は、新海誠 

 

この夏。

彼の最新作「天気の子」が公開される。

 

今回は「天気の子」公開を目前に控えた今。

アニメーション監督新海誠と「君の名は。」そして、最新作「天気の子」について見ていこう。

 

 

 

21世紀のアニメーション監督 新海誠が描いてきた3つのキーワード

新海映画を3つのキーワードで表すと

「天気」「日常」「距離」

ではないだろうか。

 

君の名は。」を鑑賞したことのある人もこの3つのキーワードはピッタリハマると感じるはずだ。

 

「天気」 

晴れやかな気持ちと青空、

不安なときは土砂降りが、

思いの動かない深く積もった雪。

 

生まれたときから、人が感じ続けてきた避けることのできない、非常に身近な事象である。

 

「日常」

まるで、自分が主人公であるかのような、古い記憶をたどれば自分の経験なのではないか。

 

きっかけはいつも、

何気ない日常から始まり

何気ない日々は繰り返される。

 

現実と相違ない、自然、町並み、人波。

 

「距離」

坂の上と下、線路の手前と向かい側、田舎と都会、雲の上、遠い宇宙と地上。

 

男女の心のすれ違い、届きそうで届かないこの思い。

甘酸っぱい揺らぐことのない、あの頃の思い出。

 

お互い、そして、ココロの距離の機微。

 

新海監督はこの3つを描いてきた。 

新海は劇場版初作「ほしのこえ」から、「君の名は。」までこの3つは繊細に描いてきたと感じる。

 

ある意味、ファンタジーとは遠い、写実的な方向性を持った監督と言えよう。

 

その上で、この誰もが生きる上で心の奥底で出会ってきた3つを柱に丁寧に描く。

 

君の名は。」が世に送り出されるそのときまで、新海はコアなファンがついていたものの、アニメ好きの間でほどほどに知られた作家であった。*1

 

君の名は。」とは

2016年8月26日公開の日本のアニメ映画作品。上映時間107分。

 

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東京に住む男子高校生「瀧」と田舎町に住む女子高校生「三葉」

二人はある日突然、互いが体の中身だけ「入れ替わる」という不思議な体験をする。

互いに変わった「夢」だと思っていた。

しかし、繰り返される入れ替わりの中で自分が入れ替わっている最中にとった行動が、本当に互いの友人関係などに影響を与えている事に気づき始め、夢ではなく本当の入れ替わりであった事が発覚。

徐々に入れ替わりにも慣れ、楽しむようにもなってきた矢先。突然入れ替わりが途絶えてしまう。

瀧は三葉を心配し、記憶を元にスケッチを描き出し、それを持って岐阜県・飛騨へ。

そこで知らされたのは、衝撃の「真実」であった。

 

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と、ストーリーだけを書き連ねるとこんな感じである。

ネタバレはしてないつもり。

 

しかし、「君の名は。」はなぜここまで大ヒットになったのか。

それをたどると数々の物語があった。

 

君の名は。」が果たした偉業。

そんななかで、興行収入*2250億超。邦画史上歴代2位の興行収入を果たし、上には「千と千尋の神隠し」の308億しかないという偉業である。

 

当時、スタジオジブリ制作作品以外のアニメ映画で興行収入の最高は「STAND BY MEドラえもん」の83.8億円。*3

 

興行収入は10億超えでヒット、50億超えは当然特に大ヒットの部類に入るが、その中でも、250億超という例を見ない大ヒットとなった。

 

それだけではない。

君の名は。」の場合は他の歴代トップに来る大ヒット映画とは異なる事情が多すぎる。

 

製作委員会の構成。

 製作委員会自体にテレビ局や大手広告代理店が参加しておらず、特別な宣伝が行える訳ではなかった。(ジブリ作品は日本テレビ電通などが参加している・事前特番などはテレビ朝日系列で行った。テレビ初放送もテレビ朝日が行う。)

 逆に広告代理店関係の面倒な、しがらみがなく、報道等で取り上げやすかったのでは?という見方もある。

 KADOKAWA→原作小説

 ジェイアール東日本企画→キャンペーン展開

ネームバリューの薄さ

 新海誠、コミックウェーブフィルムと正直知られていない制作陣

 主題歌RADWIMPS Jロックファンの間では有名なものの、世間に知られているわけではなかった。

有名声優が多数出演しているものの、そこまで声優陣を推しだしたわけでもないなどネームバリューを利用したヒットではない点。

最悪な公開日

 夏休み終了間際〜直後公開という、下手したら1ヶ月ほどで上映終了の可能性もある公開日。

入場特典なし

 入場特典一切なし。完全内容勝負。

 原作なし。監督の描き下ろし。

 なんといってもこれ。

 原作ありきの実写邦画があふれる中で、完全オリジナルの作品。有名童話等に脚色を加えたわけでもない。

 

オリジナルアニメ作品であることからも、10億行けば十分なヒットである。

 

と、そんな映画として売上を伸ばす手段をほとんど発動せずに迎えた公開日。 

2016年の夏の終わりに誰もが予想だにしなかった展開が待ち受けていたのだ。

 

 

公開と常識外の大ヒット!

君の名は。」になんとなく惹かれて鑑賞に行くことを決めた私は公開翌日、イオンシネマ福島に足を運んだ。

 

春のコナン映画の上映前予告に惹かれ、原作小説を読み面白かった。とただこれだけの理由である。

 

大して混んでいることもないだろうと、1時間前に行くと広がっていたのは人の山。

そして、彼らはどうやら私と同じ映画を観る様であった。

 

スクリーンに入ると1番スクリーンはほぼ満席。

素晴らしい映像美に感動したのは言わずもがなである。

「なんか思ったよりめちゃめちゃ人いたな...」

 

なんてのんきなことを考えながら、帰路についた。

 

数日後。

ネットニュースで見た文字の並びに私は驚いた。

初週末の2日間で興収8.3億円を果たしたと言う。

 

これは「君の名は。」大ヒットの序章に過ぎなかった。

公開されるや否やSNSや口コミを通じて若者を中心に瞬く間にその人気に火が付き、全国映画動員ランキングでは全国集計となった2004年以降で歴代タイ記録となる初週から9週連続1位を獲得。

10週目で『デスノートLight up the NEW World』に土を付けられるものの、翌週にはアッサリ首位奪還を果たし、13週目まで1位を獲得している。

 

特筆すべきは、2週目の土日2日間で何と前週比125%という、過去の興行資料でも見当たらない前代未聞の上昇を記録している点である(通常の映画興行では、初週の興行成績が最大値で週を経るごとに徐々に数値が落ちていく)。また、9週目で前週の興行成績を上回る驚異の推移を見せている。

その他にも、

・初動12.8億円から東宝が強気で予測し、大ヒット映画の分岐点といわれる60億円をわずか17日間で突破。

・2016年9月22日に日本の歴代洋画邦画2位タイ(公開28日目)という異例のスピードで日本のアニメ映画としては宮崎駿監督作品のみ、邦画全体でも過去3人しか成し得なかった興行収入100億円の大台を突破。

・都内の各劇場で満席に近い状態が続いたことを受け、東宝は2016年9月24日から洋画大作が主に上映されるTOHOシネマズ日劇のスクリーン1(日本最多の座席数946席)での上映に踏み切ることに。日劇で邦画アニメ作品が上映されるのは異例中の異例。それでも土日昼間を中心に完売を連発する。

・2016年10月3日(公開39日目)には、観客動員1000万人を突破。

・2016年10月23日(公開59日目)には164.1億円に到達。「崖の上のポニョ」「アバター」を超え、日本の興行収入歴代9位に。

・2016年11月3日(公開70日目)には176億円を突破。レインボーブリッジで有名な『踊る大捜査線THE MOVIE2』や『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を抜いて歴代7位を達成。

・2016年11月28日(公開94日目)には194億円を突破。『もののけ姫』を抜き、歴代6位に浮上。

・2016年12月5日(公開102日目)、邦画としては『千と千尋の神隠し』以来15年振り2作品目(洋画を含めると『アナと雪の女王』以来2年振り5作品目)となる興行収入200億円を突破。

・公開22週目には、新作映画が3本上映されたにも関わらず、9週振りに週末動員1位に返り咲く。

・あの宮崎駿監督でさえ、興行収入で(アニメが一般的に浸透していないという時代背景を考慮しても)まともに稼げるようになったのが『魔女の宅急便』あたり。100億円超えが『もののけ姫』からであることを考えると、日本映画史において公開前の項にあるような何もかもがないないづくしの完全新規IPの映画が、作品の魅力一本でここまでの大ヒットを叩き出すなど前代未聞、まさに伝説と言っても過言ではないだろう(ニコニコ大百科より)

2016年8月公開で年を越し、2017年のGW近くまで上映が続く超特大ヒットとなったのだ。

イオンシネマ福島でも毎週のように上映最大回数の7回上映の日を連発。*4上映も多くが最大席数の1番スクリーンである。

 

新海自身初の300館規模での公開で、あのジブリ作品の数々をほとんど抜き去り、当時徐々に力をつけてきたスタジオ地図の作品をも大幅に超える大ヒットという偉業を成し遂げたのである。

 

物語が受け手に与えた想いとは

公開1週間後の映画の鑑賞者層は約70%が10代〜20代。*5

若い世代にうまく刺さった映画であるだろう。

 

その中で鑑賞者に深く刺さった理由はどこにあるのだろうか。

これを考えるとやはり初めに挙げた3つのキーワードが重点的に感じられる

 

◆新海作品3つのキーワード「日常」「天気」「距離」

① 日本的「日常」感覚を織り込んだ描写

 神社という私達の身近にある存在や、緊急時も焦ろうとはしない国民性。

 田舎の人間関係のしがらみと、対照的な都会の互いに無関心な描写。

 満員列車での通勤、小さな町で利権を発揮する人。

 

 自らが体験した、体験するかもしれない。日本的な感覚の数々だ。

 スクリーンの出来事が、まるで自分のことのように。 

②いつも晴れなんてありえない。曇るときもあれば、雨も降る。

 どん底の時に限って、空は青々としていたり。逆に土砂降りだったり。

 天気は感情を大きく左右する。

③届きそうで、届かない距離。遠いようで、近い距離。

 電車に乗れば行ける距離。

 そこには自分の日々とは異なる風景が広がっている。

 行こうと思えばいける距離。

 

 人は死んでしまったら、どれだけ手を伸ばそうと届かない。

 あんなに近くに居たはずなのに。

 

君の名は。」ではそんな、今まで生きてきて感じたことのあるような数々の出来事が繰り広げられる。

 

「結び」。
これは、とっても日本的なコンセプトですね。


だから、2つのことを思いついたんです。
日本では海外と違って、年寄りの人をすごい尊敬すると思います。
だからこの映画は、とりあえず10代と20代のターゲットでしたけれども、一番大事なせりふ、一番大事なコンセプトはおばあさんが言うんですよ。


(三葉のおばあちゃんが?)
それも大事ですし、「結び」という言葉って漢字があるじゃないですか、糸へんの漢字です。
それは、やっぱり日本人は漢字をすごく大事にするんですよ。
日本に来たら「好きな漢字なんですか」とよく聞かれるんですけど、好きなレターと同じことじゃないですか。
BとかCとか興味ないじゃん。
住めば住むほど、なんで漢字一個ずつ、そんなに興味深いのかと実感しました。


だから「結び」みたいに、いろんな使い方があるんですよ。
人によって意味も違いますし、だから、その「結び」のコンセプトって、年を超えて、みんなそれぞれの共感するポイントがあるので、年齢と関係なく、みんな楽しんでいると思います。


(そこに心が触れたのは、納得という感じ?)
そうですよ。
みんな別の納得なんですけど。

 

NHK クローズアップ現代+ マーティ・フリードマンのコメント)

 

「結び」「黄昏時」「神」など、今まで知らないうちに胸に染み込ませてきた、日本的感覚。

君の名は。」では数々の場面で表現されている。

 

と未視聴の方は全くイメージできないであろう、ちょっとした分析でした。

 

 

君の名は。」の日本映画史に残る大ヒットを果たした、新海監督の最新作がこの夏、スクリーンに再び。

 

この夏公開の新海監督最新作「天気の子」

今や、世界的に注目されるアニメーション監督・新海誠
叙情的な男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉で紡ぎ出す“ 新海ワールド” は、
国内外問わず多くの人々に支持され、生み出された作品は高く評価されてきた。
そして、前作『君の名は。』から3年―
待望の最新作が、ついに始動する。

新作『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」するストーリー。
東京にやってきた家出少年・帆高が出会った、不思議な力を持つ少女・陽菜。ふたりの恋の物語は、美しく、切なく、新たな時代を迎えるあらゆる世代、そして全世界へのメッセージとして描かれる。
声の出演として、主人公・帆高に醍醐虎汰朗、ヒロイン・陽菜に森七菜が決定。2000人を超えるオーディションの中から選ばれた二人の声に大きな注目が集まる。更には、本田翼、倍賞千恵子小栗旬ら、まさに豪華キャスティングが実現。
そして、主題歌「愛にできることはまだあるかい」を始め、劇中全ての音楽を担当するのはRADWIMPS。今作での新たなチャレンジとして、心の機微を神秘的に歌い上げるアーティスト・三浦透子をボーカルに迎え、複数の楽曲を制作。共に紡がれた、その“詩”は、新海ワールドに、より大きな感動をもたらした。(「天気の子」ウェブサイトより)

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新海監督の最新作「天気の子」は、天気をキーワードにした物語。

 

「あの光の中に、行ってみたかった」


高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。


彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。


そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。


彼女には、不思議な能力があった。 

 

公開前もが、異例づくし

 新海監督の最新作ということもあり、公開前の時点でもオリジナルアニメ作品としては異例のプロモーション展開が行われている。

 ・最速上映をTOHOシネマズ新宿・梅田で公開日深夜0時から開催。

・公開間際まで制作を行う。試写会などの方式でのプロモーションは一切なし

原作小説は前作同様、製作委員会のKADOKAWAより発売。発売日は公開日前日の7月8日(木)

・上映劇場の全359館で、第一回目の上映を公開日朝9時から一斉に実施。全館同時での上映開始は東宝史上初。

・極上の映画体験が出来る、音質・空間・スクリーンともにプレミアムな上映方式のIMAX上映も、公開初日から全国33スクリーンで開催決定。

前売り券(ムビチケ)は発売なし。

 

ボーイ・ミーツ・ガールを丁寧に描いてきた新海監督らしい、あらすじですが本編はどうなっているのか?予告を見るだけでわくわくしますね。

 

果たしてどこまでヒットとなるのか。見に行けたら公開日に見に行きたいと思ってます。

 

ということで!

新海監督の最新作「天気の子」は2019年7月19日(金)公開!

 

上映劇場や事前特番の情報等は以下に続きます↓ 是非チェック!

天気の子 公開劇場(2019年7月19日(金)時点・全国359館)

福島

宮城

ほか

その他はこちらから

theater.toho.co.jp

 

公開記念特番(30分間)

全国38局で海の日を絡めた3連休の前後などに放送予定

 

福島放送 7月15日(月・祝)14:58-15:28予定

 

その他は以下から

https://www.tenkinoko.com/tv.html

 

 「君の名は。」テレビ放送

公開を記念してテレビ朝日系列にて「君の名は。」がテレビ放送。

 

「天気の子」と天気の子スペシャルパートナー7社のコラボCMも一斉解禁

SUNTORY・増進会ソフトバンク・ディップ・日清食品ミサワホーム・ロッテ

 

6月30日(日)21:00 - 23:09 テレビ朝日系列

 

今回はここまで!読んでいただきありがとうございました!!

 

過去記事もぜひぜひよろしくおねがいします!出勤回数調査は6月分を更新しました

 

fukushima-anitv.hatenablog.com

 

 

 

*1:君の名は。」以外の作品を見たことがない人は是非他の新海作品にも触れてみてほしい。「君の名は。」の印象で入り込みやすいのは「言の葉の庭」と「秒速5センチメートル」だろう。是非見てほしい。美しい風景描写と新海作品が描いてきた「天気」「日常」「距離」を感じてもらえるはずだ。

*2:観客が鑑賞代金として映画館へ支払った金額の合計

*3:現在は「名探偵コナンゼロの執行人(18年)」

*4:スクリーン増設前の最大上映回数。増設後は最大1日10回上映を行った事がある(ドラゴンボール等)

*5:NHK クローズアップ現代+より