2021年衆院選 福島県小選挙区 比例東北情勢分析・結果
福島県小選挙区の立候補者一覧
福島県は小選挙区を2択で選び、比例代表の政党を選ぶという限りなくシンプルな構図。
圧勝パターンは考えづらく、競り勝てるかが焦点に。比例復活がいくつか出そう。
(以上、記載してある情勢は公示翌日の10月20日時点のもの)
選挙結果
野党統一候補が一定の成果をもたらし、接戦に。小選挙区では全国の都道府県でも珍しく、立憲民主党が過半数の議席を獲得する結果となった。
惜敗率が高い区が多く、5区を除くすべての区で比例復活となった。
なお、次回の衆議院選挙からは、選挙区が5区から4区に再編される予定。
【1区】立憲・金子 恵美 当選
有権者数:404,405人
区域:福島市、相馬市、南相馬市、伊達市、桑折町、国見町、川俣町、新地町、飯舘村
投票率:60.61%
〈当〉金子 恵美 123,620(得票51.1%)
〈比当〉亀岡 偉民 118,074(得票48.9%)
事前の情勢報道でも、デットヒートが伝えられていた選挙区。2017年の前回選挙同様完全な一騎打ちとなった。
読売新聞社・日本経済新聞社の共同調査に基づく(と思われる)、福島民友の情勢報道分析だけが一貫して金子氏のやや優勢を伝え、当該情勢報道通りの結果となった。
金子氏は、福島市、南相馬市、伊達市、川俣町で得票数が上回った。特に、伊達市で約5,000票差を積んだ。
亀岡氏の惜敗率は95.5%、東北ブロックの自民党獲得議席6議席中、4番目となり前回に続いて比例復活を果たした。
【2区】自民・根本 匠 当選
有権者数:347,250人
投票率:55.06%
〈当〉根本 匠 102,638(得票54.6%)
〈比当〉馬場 雄基 85,501(得票45.4%)
事前の情勢報道では、各社とも堅い地盤の根本氏の優勢が明らかであるとした。結果は情勢報道通りとなった。
根本氏は、すべての市町村で得票数が上回った。一方で、議員経験の無い馬場氏が終盤に支持を集めるなど健闘。45.4%の得票を得た。
結果として、馬場氏の惜敗率は83.3%、東北ブロックの立憲民主党獲得議席4議席中、4番目に滑り込み比例復活を果たした。
【3区】立民・玄葉 光一郎 当選
有権者数:264,121人
区域:白河市、須賀川市、田村市、鏡石町、天栄村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町
投票率:64.05%
〈当〉玄葉 光一郎 90,457(得票54.2%)
〈比当〉上杉 謙太郎 76,302(得票45.8%)
事前の情勢報道では、各社とも堅い地盤の玄葉氏の優勢が明らかであるとした。結果は情勢報道通りとなった。
玄葉氏は、須賀川市、田村市、鏡石町、天栄村、矢吹町、矢祭町、石川町、玉川村、平田村、古殿町、三春町、小野町で得票数が上回った。須賀川市で6,000票差を積んだほか、田村市、三春町でも得票率が高かった。
一方の、上杉氏は白河市、泉崎村、中島村、棚倉町、塙町、鮫川村、浅川町で上回ったものの、大票田の須賀川市や田村市で票差を付けられる形となった。
しかしながら、上杉氏の惜敗率は84.3%、東北ブロックの自民党獲得議席6議席中、6番目に滑り込み比例復活を果たした。なお、玄葉氏は本選挙区での立候補を続けており、立憲民主党議員では当選回数も多いが、年々得票率が低下傾向にある。
【4区】立民・小熊 慎司 当選
有権者数:237,353人
区域:会津若松市、喜多方市、下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、西郷村
投票率:64.68%
〈当〉小熊 慎司 76,683(得票51.0%)
〈比当〉菅家 一郎 73,784(得票49.0%)
事前の情勢報道では、序盤では両者のデットヒートが伝えられていたものの、終盤に小熊氏がやや抜け出しそのまま逃げ切る形となった。県内選挙区では得票率差が最も小さく、接戦だった。
各市町村で得票がほぼ同数の大接戦を繰り広げたが、大票田である会津若松市と喜多方市で小熊氏がそれぞれ1,500票差をつけ、合計3,000票近い差を生んだ。この差がそのまま、合計得票数の3,000票差につながり、小熊氏の逃げ切りとなった。
しかしながら、上杉氏の惜敗率は96.2%、東北ブロックの自民党獲得議席6議席中、3番目で比例復活を果たした。なお、本選挙区では今回を含めて過去3回小熊氏と上杉氏が大接戦となっており、毎回95%超の惜敗率となる。戦績は小熊氏2勝、菅家氏1勝。
【5区】自民・吉野 正芳 当選
有権者数:320,273人
区域:いわき市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村
投票率:48.00%
〈当〉吉野 正芳 93,325(得票62.7%)
〈ー〉熊谷 智 55,619(得票37.3%)
事前の情勢報道では、吉野氏の優勢が伝えられ県内の小選挙区では唯一60%を超える得票率で当選した。県内で唯一共産党の候補が擁立された。
なお、他選挙区の立憲候補同様に社民県連合の推薦あり。
すべての市町村で、吉野氏が60-70%程度の得票率だった。
熊谷氏は県内の選挙区で唯一、比例復活ならず。
県内内閣支持率
福島民報社×福島テレビ
- 支持する 28.1%
- 支持しない 52.6%
- わからない 19.2%
福島民友
なお、これまでの福島民友・読売新聞の調査結果は以下のとおり。
【21年衆院】
- 支持する 40%
- 支持しない 38%
- 答えない 22%
【19年参院】
- 支持する 44%
- 支持しない 41%
- わからない 15%
【17年衆院】
- 支持する 30%
- 支持しない 55%
- わからない 15%
福島民友の選挙時の情勢・世論調査について補足
①共同通信社との調査は民報が行う。福島民友は情勢調査について「読売新聞社と共同で実施」としている。
②一方の、読売新聞は日本経済新聞と共同で全国の情勢データを集めて、分析は各社で行う仕組み。
③民友は読売・地方版と内閣、政党支持率が完全に合致する。したがって同じデータを使用していると推測されます。
政党支持率
福島民友
(2021年10月19日・20日)
- 自民 39
- 立民 24
- 公明 5
- 共産 5
- 維新 3
- 国民 2
- れいわ 1
- 社民 2
- N国 1
- その他 2
- 支持政党なし 14
- 答えない 3
- 前回の衆院選と比較すると、無回答が15%→3%、支持政党なし(無党派層)が20%→14%に減少しています。
比例投票先
(民友は小数点以下、民報は小数点第2位以下四捨五入。グラフ中すべて足しても100にならない場合あり。調査数は左から3,164、3,035、2,017)
小選挙区情勢報道一覧
第49回衆院選情勢報道 福島県 pic.twitter.com/L0K5sia53V
— 三春充希(はる)⭐第49回衆院選情報部 (@miraisyakai) 2021年10月29日